5. まとめにかえて
ここまで、シニア世代の生活実態を多角的に分析してきました。
平均貯蓄額はあくまで平均であり、多くの人が貯蓄額に不安を抱えている現実を理解することは非常に重要です。また、毎月の赤字家計は、多くのシニア世帯が公的年金だけでは生活を賄いきれていない現状を示唆しています。
長寿化が進む中で、老後の「健康ではない期間」にかかる費用をどう賄うかは、すべての現役世代が真剣に向き合うべきテーマです。健康寿命を延ばす努力と並行して、若いうちから資産形成に取り組むことが、将来の選択肢を広げ、心の余裕を生み出す最善策といえるでしょう。
これを機に、ご自身の家計状況を見直し、将来に向けた具体的な行動を起こしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」
- 総務省「2024年(令和6年)労働力調査」(2025年1月公表)
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
石津 大希