筆者は、銀行員として資産運用相談を担当していました。老若男女、多くのお客様のマネー相談を受けてきましたが、定期預金や個人年金保険、NISAでの積立投資の目的として最も多かったのが「老後資金」でした。

「老後、年金だけで生活できないと聞いた」

「年金生活なんていえないくらい、老後に年金なんてほとんどもらえない」

など、年金に関する不安の声をたくさん聞きました。

少子化が進むなか、現役世代が老後を迎える頃にどれほどの年金が支給されるのかは現時点で不透明です。

だからこそ、いまのシニア世代の年金事情を把握しながら、リタイア後の生活を想像して資金計画を立てていく必要があります。

本記事では、厚生労働省の資料をもとに、いまのシニア世代が「厚生年金」や「国民年金」を月どれくらい受けとっているのかを確認していきます。

1. 老後、公的年金だけで生活できない高齢者世帯は56.6%

2025年7月4日、厚生労働省は「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」をリリース。

これによると、年金を受給する高齢者世帯のうち、収入のすべてが「公的年金・恩給」である世帯は43.4%、つまり残りの56.6%が公的年金以外のお金が必要な状況にあることがわかります。

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況

老後の生活費が公的年金だけでは不足する場合、働くことによる収入や貯蓄の取り崩し、あるいは運用で得た配当金などを活用する必要があります。

では、現在のシニア世代は、国民年金や厚生年金といった公的年金から、どれくらいの金額を受け取っているのでしょうか。厚生労働省のデータをもとに、具体的な年金額を見ていきましょう。