4. 10月から年金の「手取り額」が変わるのはどんな人?

ここまで、厚生労働省が公表しているデータをもとに「国民年金」と「厚生年金」の平均的な受給額を確認してきました。

ただし、これまで示した平均年金月額はあくまで「支給額(額面)」であり、実際に受け取れる手取り額とは異なります。

4.1 老齢年金「国民年金・厚生年金」からも「保険料」や「税金」が引かれる

公的年金「国民年金・厚生年金」やその他の所得に対して、以下のような「保険料」や「税金」が引かれます。

※遺族年金や障害年金は非課税

  • 国民健康保険料(75歳以上と65歳から74歳までの人で一定の障害の状態にあると後期高齢者医療広域連合から認定を受けた人は後期高齢者医療保険料)
  • 介護保険料
  • 住民税・森林環境税
  • 所得税・復興特別所得税

4.2 天引き額が決まるタイミングは?

所得税を除く、保険料や住民税の金額は 前年の所得 をもとに各自治体が計算し、6~7月頃に決定します。

そして、その結果が反映されるのは、10月に支給される(8月・9月分の)年金から。

4.3 では4月・6月・8月に天引きされている金額はなに?

ここで疑問になるのが、「4月・6月・8月に支給された年金から引かれている額は、いったい何を基準にしているのか?」という点です。

実はこの時期に引かれているのは、「仮の金額」 です。前年度の2月に引かれた金額をもとに「仮徴収」として天引きされています。

4.4 10月以降に支給される年金から「仮徴収」された額との差を調整

6~7月に決まった保険料や住民税の正式な金額と、4月・6月・8月に「仮徴収」された額との差を、10月・12月・翌年2月の支給分で調整します。

つまり、

  • 4月・6月・8月 → 仮の天引き額(前年度2月の金額をベースにした仮徴収)
  • 10月・12月・2月 → 正式な金額との差を調整した天引き

という流れになっています。

介護・後期高齢・国保における年次処理スケジュール

介護・後期高齢・国保における年次処理スケジュール

出所:厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」

こうした理由から、10月に振り込まれる年金の手取り額が変わるケースがあるのです。

なお、自治体によって本徴収の開始時期が異なる場合があります。8月に振り込まれる年金から本徴収が始まっている自治体も。

5. 「年振込通知書」が届いたら必ず金額を確認しよう!

年金額改定時や振込額が変わる際には、日本年金機構から「年金振込通知書」が送付されます。

何がどう変わったのか、しっかり確認しましょう。

不動産や投資資産などの売却などで一時的に前年の所得が増えた方は、天引き額も増え、手取りが大きく減ってしまうかもしれません。

老後の大切な収入に影響する、重要なしくみです。

いざ手取りが減った時に慌てることのないよう、また前年の所得が大きく変動した時に、翌年の手取り収入が減ることを想定した資金計画が立てられるよう、しくみを理解しておきましょう。

参考資料

マネー編集部年金班