すべての数値の合計をデータの数で割った結果は、あくまでも平均。極端に貯蓄額が多い人が、平均値を一気に持ち上げている場合もあるのです。実際のところ、今回の全体の貯蓄現在高の平均値は1812万円ですが、大きい順に並べて真ん中にある「中央値」は1074万円でした。さらに、貯蓄が0円である世帯を含めた中央値は、1016万円とさらに低い数字です。

このことからも、平均値だけではなく様々な角度から結果を分析することが大切だと分かりますね。

40歳未満の負債額にも注目

40歳未満の世帯ごとの貯蓄現在高の平均は602万円との結果でしたが、負債現在高の存在も忘れてはいけません。その世代の平均額は1123万円と、貯蓄額よりはるかに高い数値となっています。この数字は、10年前と比べ365万円も高くなっています。

貯蓄現在高の平均額である602万円から負債現在高の平均額1123万円を引いた「純貯蓄額」は、521万円の赤字という結果に。マイホームやマイカーの購入、さらには子どもの教育費など、出費がかさむ世代だからこその結果といえるでしょう。

少子高齢化の現代では、社会保険料の値上げや16歳未満の子の扶養控除廃止など、負担がどんどん大きくなる傾向があります。「退職金があるから大丈夫」といえる時代でもないため、老後への不安はますます高まりそうです。

まとめ

世代別の貯蓄額は、シニア世代と40代未満の若い世代で大きな差があることが分かりました。なかでも注目すべきなのは、40歳未満の平均負債額が年々増加傾向にあるという事実。少子高齢化の影響により、若い世代への金銭的負担は高まる一方です。退職金だけをあてにすることなく、退職後に向けて十分な貯えを用意しておきましょう。

LIMO編集部