4. 現役世代の人は公的年金以外の「老後資金」をどう準備する?
老後資金とは、退職後の暮らしを支えるために必要なお金のことを指します。その中心となるのは、生涯にわたって受け取れる公的年金です。ただし、ここまで見てきたように、公的年金だけで生活費をまかなうのは決して簡単ではありません。
たとえば、年金を増やす方法として、国民年金では付加保険料を払う、厚生年金なら収入を増やすといった工夫が考えられます。また、受給開始を遅らせて年金額を上乗せする「繰下げ受給」という選択肢もあります。とはいえ、少子化の影響で将来的に年金水準が下がる可能性も指摘されており、「年金を増やすこと」だけに頼るのは心もとない面もあります。
そのため、公的年金以外の資金づくりも大切になります。
具体的には、預貯金や投資信託、株式投資、個人年金保険、確定拠出年金などがあげられます。NISAやiDeCo(企業DCも)といった税制優遇制度を使えば、非課税のメリットを受けながら効率よく資産を増やせる期待もあります。ただし、投資には元本保証がないことに注意が必要です(確定拠出年金で定期預金を選ぶこともできますが、金利が低いため非課税の恩恵は限られます)。
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、人によって感じ方も異なります。自分に合ったやり方を整理し、資産を分散させながら老後に備えていくことが理想といえるでしょう。
参考資料
和田 直子