高齢になるほど医療費の負担は重くなりがちです。

その中で75歳以上の方が加入する「後期高齢者医療制度」は、医療費を一定の割合で負担しながら、必要なときに安心して医療を受けられるように整えられた仕組みです。

所得水準によって窓口負担割合が変わり、2022年からは「2割負担」という新しい区分も導入されました。

さらに、2025年9月には経過措置が終了し、一部の方の負担が増える可能性もあります。

制度の特徴や給付内容を理解し、思わぬ負担増に備え、利用できる支援を活用していきましょう。

1. 「後期高齢者医療制度」とは?誰が加入する?

「後期高齢者医療制度」は、2008年に創設された75歳以上の高齢者を対象とした公的医療保険制度です。

制度導入以前は、高齢者も一般の国民健康保険や被用者保険(協会けんぽ・組合健保など)に加入していましたが、高齢化の進行により、医療費の公平な負担や制度の財政的持続性が大きな課題となっていました。

こうした背景から、高齢者専用の独立した制度として設けられたのが「後期高齢者医療制度」です。

日本に住民票がある方は、75歳になると自動的に後期高齢者医療制度に移行します。

個別の手続きは不要で、お住まいの市区町村から「後期高齢者医療被保険者証(保険証)」が郵送されます。

なお、障害の程度など所定の条件を満たせば、本人の申請により75歳未満でも制度に加入することが可能です。