5. 自分の年金見込額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認
老後の生活設計を立てるには、自分が将来どのくらいの年金を受け取れるのかを把握しておくことが大切です。
年金見込額は「ねんきんネット」や毎年届く「ねんきん定期便」で簡単に確認できます。まずは現状を知ることから始め、老後に向けて準備を始めていきましょう。
5.1 ねんきんネットとは?
「ねんきんネット」は、年金記録の確認や年金見込額の試算、各種通知書の閲覧などができるオンラインサービスです。
スマートフォンやパソコンを使って、24時間いつでもどこからでも利用できます。
ねんきんネットに登録するには、「マイナポータルとの連携」もしくは「ユーザIDの取得」が必要です。
ユーザIDを取得するには、基礎年金番号とメールアドレスが必要です。登録の際は、年金手帳や年金証書など、基礎年金番号が確認できる書類をお手元にご用意のうえ、申請手続きを行いましょう。
なお、ユーザIDは「ねんきん定期便」などに記載されている「アクセスキー」で取得することも可能です。
5.2 ねんきん定期便とは?
「ねんきん定期便」は、毎年の誕生月に郵送される年金記録の通知書です。
35歳・45歳・59歳の節目には封書タイプ、それ以外の年齢にはハガキ形式で送付されます。
記載内容は年齢によって異なり、50歳未満の方には「これまでの加入実績に基づく年金額」、50歳以上の方には「老齢年金の種類と見込額(年額)」が示されます。
実際にシニア世代の年金額を見て、「思ったより少ない」と感じる方も多いでしょう。
老後に向けた資金計画を立てるには、現役のうちから将来の年金額を把握しておくことが欠かせません。
受給直前になってから年金額の少なさに気づいても、対応できる選択肢は限られてしまいます。
「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して早めに確認しておけば、老後の収入の目安を把握し、資産形成や生活設計に役立てることができます。
6. 年金の見込額を把握したうえで「老後資金の準備」を検討しましょう
年金の受給額は、加入期間や現役時代の収入によって人それぞれ大きく異なります。
低年金で生活が厳しい世帯に向けては「年金生活者支援給付金」が用意されていますが、月額数千円程度と限定的であり、しかも申請しなければ受け取れません。
安心した老後を送るためには、まず自分の年金見込み額や制度の対象条件を早めに把握することが重要です。
そのうえで、私的年金の活用や積立投資、副収入などを組み合わせて、複数の収入源を確保しておくことが望ましいでしょう。
将来の生活をより確実に守るためにも、年金制度を正しく理解しつつ、多角的な資産形成を今から進めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金 よくあるご質問(Q&A)」
- 日本年金機構「「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和7年度送付分)」
- 日本年金機構「「ねんきんネット」の登録方法」
- 厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」
加藤 聖人