世界中で愛され続ける日本のバイク

ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4大メーカーのバイクは、世界中で愛され趣味や仕事の利用だけでなく、レースシーンでも大活躍しているのはご存じの通り。しかし、二輪車の生産台数に目を向けると、ちょっと様子が違ってくる。

日本自動車工業会の調べによると、2016年度の二輪車生産台数が多い国から順に、インド(約1,992万台)、中国(約1,682万台)、タイ(約182万台)、パキスタン(約149万台)、台湾(約121万台)、フィリピン(約104万台)、ブラジル(約88万台)、インドネシア(約56万台)、日本(約39万台)と、インドは日本の51倍も二輪車を生産している。中国は2008年頃までは2,500万台を生産していたが、2014年頃からインドに逆転されている。

日本の二輪車メーカーの現地生産工場数は、中国がトップで、インド、インドネシア、フィリピン、ブラジル、ベトナムと続き、日本メーカーの二輪車やスクーターの一部は海外で生産されて日本に輸入されているのだ。

バイク普及率は東南アジア勢が高い

今度は普及率(1台あたりの人口)で見ると、インドネシア、マレーシア、タイが同数で、国民の3人に1台が普及している。イタリアは7人、スペインは9人、日本は11人で、多そうだった中国では17人という結果になった。

一昔前の中国は自転車大国で、そのあとは二輪車に移行し、今では世界一のEV大国へと変化したからだ。中国のEVメーカーは500社以上もあり、世界中のEVの4割は中国が保有していると言われている。

アジア人オートバイレーサーの発掘、育成も盛況

次にオートバイレーサーを見ると、生きる伝説であるバレンティーノ・ロッシ選手が主宰する「VR46 Riders Academy」では、若手ライダーの発掘、育成を行っている。今まで多くのアジア人ライダーが選抜されてきていて、昨年開催された6回目では、マレーシアから2人、インドネシアから1人、日本から1人が参加。

アジアのサーキットも整備されてきていて、マレーシアにある「セパン・インターナショナル・サーキット」では、MotoGPやスーパーバイク世界選手権がすでに開催されている。

また、タイの「ブリーラム・ユナイテッド・インターナショナル・サーキット」では、2015年からスーパーバイク世界選手権、2018年からはMotoGPも開催。さらにインドネシアでは、2021年にはロンボク島にあるストリートサーキットで、MotoGPが開催されるかもしれないのだ。

国内はリターンライダーが頼みの綱