東南アジアを中心に二輪車人気は急上昇中で、冷え込んでしまった日本市場とは真逆の状況にある。日本では1970年代後半から始まった、「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」という、いま考えても大きな疑問が残る「三ない運動」や、二輪車、特に原付きに厳しい道交法のせいで、二輪車の販売台数やライダーが激減してしまった。

さらに少子化やライフスタイルの変化、二輪車価格の割高感などが加わり、国内の二輪車販売台数は1980年に約237万台だったのが、1990年には約161万台、2000年には約77万台、2010年には約38万台にまで落ち込んでいる。

いまや、かつてバイクに乗っていたリターンライダーが頼みの綱なのだ。しかし、今の若い世代がバイクに興味や憧れを持ち、さらに乗ってもらわない以上、今後はリターンライダーという言葉すら消滅していくだろう。

タイ王国メーカーのバイクを日本で発売

そんな状況のなか、二輪車普及率世界トップであるタイのメーカーであるGPXが、日本市場に参入すると発表した。タイ国内での2018年度の二輪車販売台数のシェアとしては、ホンダ約140万台、ヤマハ約27万台、GPX約3万台、スズキ約2万台となっていて、GPXはタイでは有名なメーカーなのだ。

GPXでは日本総代理店としてGPX JAPANを設立し、さらに全国に販売代理店11店舗を展開し、今後は50店舗を目指するという。

代表取締役の月木博康氏は、「東南アジアで主流の150ccを2種、200ccを1種の計3機種をまずは販売し、年間1,000台の販売を目指しています。扱いやすいサイズ、リーズナブルな価格設定ということもあり、気軽に誰が乗っても楽しめ、バイクに乗っていない層やシニアライダーにも乗ってほしい」と語る。

3月22日に開催される「東京モーターサイクルショー2019」において、今回発表した3機種のバイクが展示されるので、興味がある方は確かめてみるといいだろう。

鈴木 博之