6. 医療費は年齢とともに高くなるので注意が必要です
支出のうち医療費に注目してみましょう。
厚生労働省の統計によると、1人あたりの医療費は年齢が上がるほど大きくなり、70代で60万円を超え、90歳以上では100万円を優に超える水準となっています。
特に80歳を境に入院や生活療養の比率が高まり、医療費の大半を占めるようになります。高齢になるにつれて期には長期入院や療養に伴う支出が加わるため、費用は一気に膨らむ傾向にあるのです。
このように、加齢とともに医療費が生活に与える影響は無視できず、老後の家計を考える上で大きな誤算となることも多いため注意が必要です。
7. 医療費リスクの備えも考えていきましょう
いかがでしたでしょうか。70歳以上の生活について具体的な数字とともに見ていきました。
老後の家計は日常の生活費だけを見積もるのでは不十分とも言えるでしょう。医療や介護の支出が大きくのしかかり、思わぬ赤字につながることもあります。
そのため、現役世代のうちから医療費リスクを考慮に入れた備えも意識しておくのも良いでしょう。
無理のない範囲で備えを組み合わせていけば、老後生活に対する不安も少しずつ安心に変えられるのではないでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」
三石 由佳