5. 【公的年金】「国民年金・厚生年金」男女別平均には差がある?
現役時代に加入する年金は、働き方や過ごし方によって変わります。また、年金加入履歴や年収などにより老後の年金額には個人差が出ます。
厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(※1)」をもとに、2023年度末の国民年金・厚生年金(※2)の平均年金月額を見ていきましょう。
※1 2024年12月公表
※2 厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。また、厚生年金の月額には国民年金(老齢基礎年金)部分が含まれています。
5.1 【男女別】国民年金・厚生年金《平均月額・個人差》
国民年金(老齢基礎年金):平均年金月額
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
厚生年金(国民年金部分を含む):平均年金月額
〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
平均年金月額は、国民年金のみを受給する場合で5万円台。厚生年金(国民年金部分を含む)を受給する場合で、男性16万円台、女性10万円台です。
ただし、グラフが示すように国民年金、厚生年金それぞれの受給権者の間でも、個人によって差が出ています。
6. まとめにかえて
シニア世帯の平均的な家計収支、貯蓄や年金などお金事情について見てきました。
今回見たのはあくまで平均的な数値のため、実際は世帯によって異なるものの、年金の平均月額を見てみると、貯蓄を切り崩しながら生活している世帯は少なくないと考えられます。
種類別貯蓄額の推移内訳の中では、有価証券の増加が傾向として見られました。これは株式や投資信託などの資産価値が上昇したことや、低金利の影響で資産運用に関心がある方が増えた可能性が考えられます。
最近では、新NISA制度の登場により、NISA制度の恒久化や利用可能枠が拡大したことなど、旧NISAと比べてメリットが増えました。
投資対象は全て元本損失の恐れがあるため、リスクを十分に確認した上で利用する必要がありますが、運用が上手くいけば効率良く資産形成ができるかもしれません。これから貯蓄をしようと考えている現役時代の方は選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「第3 家計調査の貯蓄・負債編の見方」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
石川 晴香