長かった夏も終わり、ようやく秋の気配が感じられる2025年9月。年末に向けて仕事やプライベートで忙しくなる人も多いのではないでしょうか。

これからの季節は、来年の準備を少しずつ始めるのに良い時期です。特に、お金にまつわる計画は早めに立てておきたいところ。その中でも、多くの人が関心を寄せるテーマの一つが「年金」です。物価上昇や社会の変化に伴い、年金制度は常に変動しています。2025年度の年金額は前年度から1.9%の増額となりました。

しかし、この増額が老後の生活を十分に支えてくれるのか、不安に感じる人も少なくないでしょう。今回の記事では、最新の年金額や年金制度の仕組み、さらには改正内容まで詳しく解説します。

1. 年金額、2025年度は前年度から1.9%の増額に

公的年金額は、物価や賃金を考慮して年度ごとに見直しがおこなわれており、2025年度は前年度より1.9%の引き上げとなっています。

年金額の例を見ると、厚生年金のモデル夫婦世帯(※1)は月額23万2784円、国民年金の満額(※2)は月額6万9308円です。

夫婦ともに国民年金のみ(満額と仮定)を受給する世帯の場合、二人分の合算額は13万8616円となります。

※1 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
※2 国民年金保険料を全期間(480カ月)納付した場合に65歳以降で受給できる年金額