「東京オートサロン2019」の日産ブースで注目だったのが、参考出品として展示されていた『JUKE Personalization Adventure Concept』だ。このマシンの頭上にはドローンが吊り下げられ、アドベンチャーフィールドで走破するシーンを撮影しているのを想像させる演出だった。

エンジンは型式MR16DDT(排気量1,618ℓ)の最高出力140kw(190ps)/5,600rpm、最大トルク240N・m(24.5kgf・m)/1,600-5,200rpmと、ノーマルのまま。しかし、大きく張り出したオーバーフェンダーや、タイヤではなく無限軌道、いわゆるクローラーを履いたフォルムが強烈なインパクトを放ち、まるでガンタンクのようだった。

インテリアもノーマルだったが、エクステリアは日産純正リングイルミフォグ、日産純正シャークフィンアンテナと、ここまではグレードによってはオプションで設定可能。

さらに専用パーツとして、ボディフィルムラッピング(専用色/参考出品)や、オーバーフェンダー、リアバンパーフィニッシャー、ドアミラーカバー、ヘッドランププロテクター、ルーフスポイラー、THULE製ルーフバスケット、IPF製LEDランプユニット、エキゾーストフィニッシャー、フロント/リアDリングシャックルなどが装着されていた。

以前から無限軌道装着の試みはあった

ガンタンクそのもののフォルムに愛くるしいフェイス

実は、日産がSUVにタイヤの替わりに無限軌道を取り付ける試みは、以前から行われていたのだが、クローラー部分が車体からはみ出しているものがほとんどで、取って付けた感があった。

しかし今回展示されていたジュークは、張り出したクローラーに合うようにオーバーフェンダーがぴったりと装着され、クローラーの回転部分には三角形のカバーを装着したことにより安全で、あたかもこういうクルマが最初からあるかのようなしっくり感を持たせつつも、未来チックなフォルムへと進化を遂げていたのだ。

このジュークにクローラーを履かせるというコンセプトは、日産のジョークではなく、雪上やぬかるんでいる路面においては、抜群の走破性を発揮するものでとても理にかなっている。発売はアナウンスされてはいないが、従来からある雪上車に替わるマシンとしてスキー場でぜひ導入してほしい。

この『JUKE Personalization Adventure Concept』は、「東京国際カスタムカーコンテスト2019」の、コンセプトカー部門で優秀賞を受賞。ちなみにホンダアクセスの『Modulo Neo Classic Racer』も受賞し、同部門で最優秀賞に輝いたのは、スズキSWIFT SPORTをベースにカスタマイズしたHKSの『TRB-04』だった。

迫力あるリアまわりで後続車はびっくりすることだろう

見る位置によってボディカラーが違うGT-R