最近では、長生きする方が増えてきたという印象を持つ方も少なくないのではないでしょうか。
厚生労働省が公表した「令和6年簡易生命表」によると、日本の平均寿命は男性が81.09年、女性が87.13年でした。また、今の70歳の平均余命は男性が15.60年、女性が19.97年でした。
老後の期間が長くなるほど、生活費や医療・介護費などがかかるため、必要な資金も増えます。こうした理由から、これからの時代は長生きに備えた貯蓄が重要になってきます。では、60歳代の方は実際にどれくらい貯蓄しているのでしょうか。
この記事では、60歳代・おひとりさまの平均貯蓄額・中央値を見ていきましょう。
1. 【60歳代】おひとりさま世帯の貯蓄額はどれくらい?
J-FLEC(金融経済教育推進機構)が実施した「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」から、60歳代・単身世帯の貯蓄額データを確認していきます(金融資産非保有世帯も含まれます)。
1.1 貯蓄額の平均と中央値を確認
- 平均値:1679万円
- 中央値:350万円
1.2 貯蓄額階層ごとの世帯割合を確認
- 金融資産非保有:27.7%
- 100万円未満:8.9%
- 100~200万円未満:5.6%
- 200~300万円未満:3%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.8%
- 500~700万円未満:5.8%
- 700~1000万円未満:5.1%
- 1000~1500万円未満:8.2%
- 1500~2000万円未満:2.6%
- 2000~3000万円未満:6.1%
- 3000万円以上:16.8%
- 無回答:4.2%
貯蓄の平均額は1679万円。その約2倍である「貯蓄3000万円以上」を保有する世帯は全体の16.8%を占めています。
一方で、金融資産を保有していない世帯も27.7%にのぼりました。
中央値が350万円という点からも、貯蓄の有無による二極化が進んでいる傾向が見て取れます。
次章では「厚生年金」と「国民年金」の平均月額を見ていきます。