6. 住民税非課税世帯になる要件は?
老齢年金生活者支援給付金の支給要件に含まれる「住民税非課税世帯」という区分は、さまざまな公的支援や給付金の対象判定基準として広く用いられています。
6.1 《住民税のキホン》均等割・所得割ともに支払い免除=「住民税非課税」
住民税は、住んでいる都道府県や市区町村に支払う地方税で、その地域の公共サービスやインフラ整備の財源となります。
個人住民税は、所得に応じて税額が決まる「所得割」、所得に関係なく一律課税となる「均等割」の合計です。
「住民税非課税」は、均等割・所得割どちらも免除となるケースです。そして世帯全員が住民税非課税となる世帯は「住民税非課税世帯」となります。
※なお「住民税の所得割のみ非課税」となる区分もあります。
6.2 住民税が非課税となる要件は3つ
以下の3つのいずれかに該当する場合、住民税が非課税となります。
- 生活保護を受けている
- 障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で、前年の所得が135万円以下である
- 前年の所得が各市町村の基準を下回る
上記の1と2は全国共通の要件ですが、3の所得要件については、自治体ごとに基準が異なります。
また、同じ所得基準であっても、扶養親族の人数、収入の種類、年金収入の場合は年齢などによって、非課税となるボーダーラインは変動します。
ご自身の世帯が住民税非課税世帯に該当するかどうか、または何らかの支援制度の対象となるかについて詳しく知りたい場合は、お住まいの市区町村の窓口にお問い合わせいただくことをお勧めします。
7. 年金生活者支援給付金は申請しないともらえません
今回は、年金生活者支援給付金について、その種類や対象者、給付要件を詳しく解説しました。
この給付金は、年金受給者の生活を支えるための重要な制度です。
年金生活者支援給付金の支給要件を満たし対象となる方は、手続きが必要です。自分から申請しなければ受け取ることができませんのでご留意ください。
記事内でご紹介した年金の平均受給額からもわかるように、多くの場合、年金だけで老後の生活をまかなうのは難しいのが現実です。年金以外の収入の柱を、早いうちから準備しておくことが、将来の安心につながります。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「個人住民税」
荻野 樹