10月に入り、秋の気配とともに年金支給日が近づいてきました。

老後の生活を支える柱となる公的年金ですが、男性で厚生年金を受け取っている人の実態をご存じでしょうか。厚生労働省のデータによると、男性受給者の平均月額は16万6606円。

さらに、月15万円以上を受け取っている人は全体の約6割強にのぼり、決して少数派ではありません。

現役時代の収入や加入期間によって差はありますが、年金だけでどこまで生活できるのか、秋の夜長に一度考えてみるのもよいかもしれません。次回の支給日は10月15日。あなたの年金見込み額、確認してみませんか。

1. 【日本の年金制度】「国民年金・厚生年金」2階建ての仕組み

最初に、年金制度の仕組みについて簡単に確認をしておきます。

日本の公的年金制度は、1階部分にあたる「国民年金」と2階部分にあたる「厚生年金」からなる「2階建て構造」といわれています。

1.1 【国民年金】1階部分

  • 加入対象は?:原則、日本に住む20歳から60歳未満のすべての人
  • 保険料は?:全員一律、年度ごとに見直しあり(※1)
  • 年金額は?:保険料を全期間(480カ月)納付した場合、65歳以降に満額の基礎年金(※2)を受給できる(未納期間分に応じて減額調整)

※1 国民年金保険料:1万7510円(2025年度の月額)
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:6万9308円(2025年度の月額)

1.2 【厚生年金】2階部分

  • 加入対象は?:主に会社員、公務員など
  • 保険料は?:収入に応じて(上限あり)決定する報酬比例制
  • 年金額は?:加入期間や納付保険料により決定(国民年金に上乗せして支給)

国民年金の保険料は「全員一律」ですが、厚生年金の保険料は「報酬比例制」です。

そのため、現役時代に「国民年金」または「厚生年金」のどちらに加入していたかで、老後の受給額に大きな差が出ます。

厚生年金の場合、毎月の給与や賞与などの「報酬」に、所定の保険料率を乗じて保険料を決定します。そのため、納付する保険料は人それぞれ異なります。