9月に入り、少しずつ秋の深まりを感じる季節となりました。読書や行楽の秋と同時に、将来の生活設計について考えるきっかけにしている現役世代も多いでしょう。
特に、70歳代の夫婦世帯の暮らしは、年金や貯蓄、生活費のバランスによって安定度が大きく変わります。
本記事では、70歳代夫婦世帯を例に、平均的な貯蓄額やシニア世代の年金受給額、家計収支の実態をわかりやすく整理します。
現役世代が自分の将来のライフプランをイメージするための参考情報として、秋の落ち着いた季節にぜひチェックしてみてください。
1. 5割超のシニアが「生活が苦しい」と回答
最初に、厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯の生活意識を確認してみましょう。
調査結果によると、その内容は以下のとおりです。
【高齢者世帯の生活意識】
- 大変苦しい:25.2%
- やや苦しい:30.6%
- 普通:40.1%
- ややゆとりがある:3.6%
- 大変ゆとりがある:0.6%
「大変苦しい」と「やや苦しい」を合わせた割合は55.8%となり、高齢者世帯では「普通」と答えた人よりも生活が苦しいと感じている人の方が多い状況です。
ただし、「全世帯」でみると「苦しい」と答えた割合は58.9%に達しており、それと比べれば高齢者世帯の方がやや低い水準となっています。