次いで、その後株価が戻って、元の7700円を回復し8000円くらいになってくると、「やっぱりソフトバンクグループの株価は堅調じゃないか・・・」と自己嫌悪に陥りながらも、再度8000円で再トライ。

運よく8500円に上がって、前回の20%の損失分を取り返そうと、「9600円まで上がるのをまとう」と悠長に構えていると、またドスン。株価は一挙に7500円まで下がり、再度気持ちがなえて売却損覚悟での売却となります。これが第二のビンタ。

下がって売ると上がり、上がって買うとまた売られ、という最悪のパターンが往復ビンタですね。もちろん下がると踏んで、売り(信用売り)から入って、上がって損切りさせられるというパターンも同じです。

究極の相場心理克服法は「忘れる」こと

現在はリアルタイムで持ち高の評価損益が分かりますから、株価が下がっているときほど、PC画面とにらめっこすればするほど、ネガティブスパイラルに陥いります。

実のところ、株価は個人がどう頑張ってもコントロールできるわけではありません。祈って上がるのであれば祈るのですが、「上がって~」と悲痛な声を上げるほど下がります。

そうした心理や苦しみから逃れる方法は一つ。株式を購入したことを「忘れる」しかありません。

もちろん、株式投資は「投資した会社が倒産して、株式が紙切れになってしまってもよい」くらいの気持ちで臨むわけですから(そのように臨んでない投資家は再考を)、いったん投資した株式は数年間投資したことさえも忘れてしまいましょう。経てば数年玉手箱の心理ですね。

もちろん、それが一番難しいのではあるのですが。

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)