金融商品への投資のみならず、資産運用される方は大なり小なり相場心理の影響を受けます。
すなわち、「損したらどうしよう・・・」というアレです。
相場心理を利用してトレーディングで儲けようという技術論は、あまたの書籍に出ておりますのでそちらに譲るとして、本日は相場を忘れる方法についてお話したいと思います。
やってはならない往復ビンタ
相場の基本は、”Buy low, sell high”、すなわち「安く買って高く売れ」ですから、株式であれば株価が低いときに仕入れるのが基本です。ところが問題は、誰しもその株価が低いかどうかは分からないところで、ひょっとして上昇するかもしれませんし、はたまた下落するかも分かりません。
したがって、いったん株式なり投資信託を保有しますと、どうしてもご自身の購入価格が気になり、下手をすると24時間中相場が気になってしかたなくなります。
こういう心理状態であれば、最悪のケースにつながりかねません。
たとえば、ソフトバンクグループの株式を買ったとしましょう。現在株価は7700円程度です。同社の株価はボラティリティ(株価の変動率)が高いことで知られています。
仮に同社株を100万円程度分購入したとしましょう。同株のボラティリティは年間50%超(日経平均株価の3~4倍)の値動きですから、年間リターンがプラス10%だったとしても、高値はプラス60%、安値はマイナス40%の間で動くわけです。こうした状況下では、一日で10%下がってもおかしくはないのです。
では、100万円投資して、株価が10%下がったとしましょう。株式評価損は10万円、持分評価額は90万円ですから、心理状態としては「10万円も下がった。10万円あればあれもこれも買えたのに・・・」となります。
そのうち、さらに10%下がると評価損は20万円ですから、PC画面で株価とにらめっこ状態になります。そうなると、いち早くこの苦しみから逃れたいということで、「そろそろあきらめて売るか・・・」という声が聞こえてきます。そして売却損確定で売るわけです。これが第一のビンタ。
次いで、その後株価が戻って、元の7700円を回復し8000円くらいになってくると、「やっぱりソフトバンクグループの株価は堅調じゃないか・・・」と自己嫌悪に陥りながらも、再度8000円で再トライ。
運よく8500円に上がって、前回の20%の損失分を取り返そうと、「9600円まで上がるのをまとう」と悠長に構えていると、またドスン。株価は一挙に7500円まで下がり、再度気持ちがなえて売却損覚悟での売却となります。これが第二のビンタ。
下がって売ると上がり、上がって買うとまた売られ、という最悪のパターンが往復ビンタですね。もちろん下がると踏んで、売り(信用売り)から入って、上がって損切りさせられるというパターンも同じです。
究極の相場心理克服法は「忘れる」こと
現在はリアルタイムで持ち高の評価損益が分かりますから、株価が下がっているときほど、PC画面とにらめっこすればするほど、ネガティブスパイラルに陥いります。
実のところ、株価は個人がどう頑張ってもコントロールできるわけではありません。祈って上がるのであれば祈るのですが、「上がって~」と悲痛な声を上げるほど下がります。
そうした心理や苦しみから逃れる方法は一つ。株式を購入したことを「忘れる」しかありません。
もちろん、株式投資は「投資した会社が倒産して、株式が紙切れになってしまってもよい」くらいの気持ちで臨むわけですから(そのように臨んでない投資家は再考を)、いったん投資した株式は数年間投資したことさえも忘れてしまいましょう。経てば数年玉手箱の心理ですね。
もちろん、それが一番難しいのではあるのですが。