4. 公的年金に依存しない資産づくりとは
公的年金は社会保障制度が成り立つ以上支給され続けますが、支給金額は経済情勢に左右されます。これからの老後生活では、公的年金に頼らない資産づくりが重要です。資産づくりのためには、iDeCoやNISAのような制度の活用を検討しましょう。
iDeCoは、自分で掛金を拠出して運用し、運用結果を年金として受給する「確定拠出年金」のひとつです。掛金が全額所得控除の対象になり、受取時も一定額までなら非課税になるなど、税制上のメリットが大きいのが特徴です。原則60歳までは引き出せませんが、年金資産づくりをするには最適な制度といえます。
NISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。通常は20.315%の税金がかかりますが、NISAで運用したお金には税金がかからないため、運用益をそのまま受け取れます。iDeCoと異なりいつでも引き出せるため、老後の資産だけでなく教育費や住宅資金などの備えにも役立ちます。
制度を活用しながら、老後に向けた備えを用意していきましょう。
5. まとめ
老後に公的年金だけで生活できる高齢者世帯は、決して多くありません。高齢者世帯の収入の内訳は、年金が6割で、残り4割が年金以外になっています。
年金以外の収入をどれくらい増やせるかによって、老後の生活しやすさも変わります。公的年金の受給額見通しもチェックしつつ、自分で資産を増やすことにも注力していくとよいでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和6(2024)年財政検証結果の概要」
- 厚生労働省「令和6(2024)年財政検証関連資料②ー年金額の分布推計ー」
石上 ユウキ