3. 私たちの年金はどうなる?受給額の見通し
現在のシニア世代の生活状況はなかなか厳しいものです。こうしたなかで、将来年金を受け取ることになる現役世代の受給額はどれくらいなのでしょうか。
私たちの年金受給額を見通す際に重要なのが「所得代替率」です。所得代替率は、年金を受け取り始める際の年金額と、現役世代の手取り収入を比較した割合です。
2024年に行われた年金の財政検証によると、年金の所得代替率は、今後経済が成長すれば2040年度・2060年度ともにで57.6%となっています。一方、過去30年と同じような経済成長であれば、2040年度は56.3%、2060年度は50.4%と、ギリギリ所得の半分を賄う試算になっています。(詳細以下画像)
厚生労働省では、経済成長ごとの将来の平均年金月額も試算しています。経済成長が継続すれば、現在40歳の人は約16万円、30歳の人は19万円、20歳の人は約23万円の年金が支給されます。
一方、過去30年と同じような経済成長だと、現在40歳の人は12万円、30歳の人は約13万円、20歳の人は約14万円と、受け取れる額は現在とほとんど変わりません。(詳細以下画像)
最低限の年金額を受給できる可能性は高いですが、いくら受け取れるのかは今後の経済成長次第といえるでしょう。
次章では、公的年金に依存しない資産の備え方を解説します。