2. シニア世代の収支状況「国民年金と厚生年金」・「生活費」
シニア世代の収支を見て、年金だけでは生活が難しい理由を見てみましょう。
まずは基礎年金と厚生年金(基礎年金含む)の平均受給額を確かめます。
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
厚生年金と基礎年金を合わせても月額14万円ほどです。専業主婦世帯なら世帯で約20万円、共働き世帯なら世帯で約29万円となります。
では、毎月の支出はどれくらいなのでしょうか。総務省統計局の「家計調査報告 〔 家計収支編 〕」によると、夫婦世帯・単身世帯の支出額は以下のとおりです。
- 夫婦世帯:25万6521円
- 単身世帯:14万9286円
夫婦世帯は共働きで2人とも平均付近の年金を受給して、ようやく年金で生活費を賄えます。専業主婦世帯では収入20万円に対して支出が25万円と、約5万円ほどの赤字です。
単身世帯は、平均の年金額を受け取っていても、赤字となります。基礎年金のみ受け取っている人であれば、赤字額はさらに増えます。
シニアの生活は、平均程度の年金額を受け取っていても赤字が発生する状況です。そのため、労働収入や個人年金といった公的年金以外の収入が必要になるのです。
次章では、将来世代の年金受給額の見通しを解説します。