2.3 差し引かれる金額の内訳

前述した年金から天引きされるお金をもとに、差し引かれる金額の内訳を解説していきます。

介護保険料

介護保険料を算出するにあたって東京都練馬区「65歳以上の方の介護保険料の決め方」の表を参照します。モデルケースでは所得金額が130万円であったため、年間の介護保険料は10万4160円です。

国民健康保険料および後期高齢者医療保険料

モデルケースの年齢は65歳と仮定しているので、ここでは国民健康保険料を求めます。国民健康保険料は練馬区「国民健康保険料の計算方法」に記載されている計算システムにて算出しました。

計算の結果、年間の国民健康保険料は約20万5470円となりました。

個人住民税

まずは住民税における課税所得を計算します。「130万円(所得)-43万円(基礎控除)-30万9630円(社会保険料)=56万370円」が課税所得です。住民税には均等割額と所得割額の合計が課税され、練馬区では以下の税率が定められています。

  • 均等割額:4000円
  • 所得割額:10%

よって「約56万円×10%(所得割)」+4000円(均等割)=約6万円が年間の住民税額となります。

所得税

所得税は「課税所得×5.105%」で導き出せます。個人住民税と同じく所得から基礎控除(48万円)と社会保険料を差し引いた51万円307円が課税所得です。

そのため、所得税は「約51万円×5.105%=2万6035円」となります。それぞれの金額をまとめると以下の通りです。

  • 介護保険料:10万4160円(年額)
  • 国民健康保険料:約20万5470円(年額)
  • 住民税:約6万円(年額)
  • 所得税:約2万6035円(年額)
  • 合計金額:約39万5665円(年額)

なお、各金額については居住している地域や個人によって異なるため、あくまで参考程度にしてみてください。

3. 年金の額面と手取りの違いをおさえておこう

今回は、年金「月20万円」から引かれる税金・社会保険料について解説しました。モデルケースをもとに算出すると月20万円の年金収入の手取りは約16万7000円であると計算できました。

前述したように年金の額面と実際に振り込まれる金額は異なるので、手元に残るお金を基準に老後の生活設計を行う必要があります。将来に不安がある方は少しでも豊かな老後を過ごすために、今からしっかりと備えておきましょう。

参考資料

湯田 浩平