先週は今年4回目の年金支給日をむかえ、次回5回目の支給日は2か月先の10月15日になります。筆者は元信用金庫職員ですが、偶数月の15日は、窓口やATMに年金を引き出しに来店されるお客様が多かったことを思い出します。

将来、公的年金がいくら受給できるか不安に思われている方は一定数いらっしゃるのではないでしょうか。老後の支えとなる公的年金ですが、人それぞれの収入や働き方によって受給できる年金や金額は違います。

いま申請しないと受給できない「年金生活者支援給付金」という制度があります。今回は、支給対象条件や請求方法を見ていきましょう。

1. 【国民年金と厚生年金】受取額は個人差がある

厚生労働省年金局が公表する「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万7584円、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万6429円です(※)

※いずれも男女全体の平均年金月額

1.1 【男女別】国民年金・厚生年金《平均月額と個人差》

老後の生活を支える公的年金。しかし、老後の受給額は現役時代の働き方によって一人ひとり異なり、グラフのように大きな個人差が生まれるのが実情です。

月額30万円以上を受け取る人がいる一方で、月額2万円未満となる人もおり、受給額は幅広いゾーンに分布しています。

年金とその他の所得を含めても、一定基準以下の所得となる場合に「年金生活者支援給付金」が受け取れる可能性があることは、意外に知られていないかもしれません。

2. 暮らしを守る「年金生活者支援給付金」とは

「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得などが一定の要件に該当する年金生活者を支援する目的で、2カ月に一度、いつもの年金に上乗せして支給されるお金です。

受給中の年金に合わせて、以下の3種類の給付金が用意されています。

  • 老齢年金生活者支援給付金(補足的老齢年金生活者支援給付金)
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金