3. 高額所得者層の「購買スタイル」は変わった?
経営コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、「年収3000万円以上、かつ年間で1000万円以上を消費している」日本の消費者約300人を対象に調査を実施し、その結果を明らかにしました。
調査の概要は以下のとおりです。
《調査概要》
- 年収3000万円以上、かつ税金や投資を除く日常生活や娯楽の年間消費・支出額が1000万円以上の消費者が対象
- 実施時期:2024年10月
- 回答者数:290人
- リリース公開日:2025年5月22日
物価の上昇が続くなかで、多くの消費者が支出を抑える傾向にある一方、高額所得者層の購買スタイルには大きな変化は見られないようです。
実際に、「物価高を受けて消費を控えた」と答えた人の割合は、一般層では約80%にのぼったのに対し、高額層ではわずか20%にとどまりました。
また、「価格が高くても、納得できる価値があれば購入する」と回答した割合は、一般層が20%だったのに対し、高額層では80%と、対照的な結果が示されています。
3.1 高所得者層はモノより「体験」にお金をかける
加えて、同社がマクロミル家計パネル調査「MHS」をもとに外部データを分析した結果、年間1000万円以上を消費する層の実支出額は、一般層の約4倍にのぼることが明らかになりました。
中でも、エンタメ・旅行・趣味といった「体験型」の支出は約9倍に達しており、モノよりも体験に価値を見出す姿勢が際立っています。
また、ブランド品の購買傾向に関しては、6割以上の高額消費者が「一度気に入ったブランドを継続して検討・購入する」と回答しており、「新しいブランドや店舗を頻繁に試す」とした人はわずか5%程度にとどまりました。
上記から、自分に合った価値を重視し、それを長く愛用する姿勢がうかがえます。
4. まとめにかえて
今回は、日本でも増えてきている「富裕層」について見てきました。
最近はFinancial Independence, Retire Earlyの頭文字をとってFIREと言われる俗語も聞かれます。そのためには資産運用を取り入れる人が多いですが、運用はさまざまなリスクがあります。
元本が足りなければ、高いリスクの商品や方法を取る必要もありますし、期間的にも短期的に増やす必要もあります。
しかし失敗すれば元々の元本も減るため目標からさらに遠のく可能性もあります。
何が自分に合っているのかは人それぞれ変わりますし、いつまでにどのくらいという目標もさまざまです。人と比べるのではなく自分自身がどうなりたいのかをしっかりと確認し、目標に向けて取り組んでみましょう。
参考資料
- 株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」
- PRTIMES「【BCG調査】日本の高額消費者(年間消費額1,000万円以上)の購買行動に着目した調査・分析を実施
」
渡邉 珠紀