2025年の8月も終わりに近づいていますが、残暑が厳しい日々が続いています。

皆さまは、ご自身の家計や将来の資産形成について考える機会はありますか。「給料が伸び悩む一方で物価は上昇し、生活が厳しくなる」と感じる人が多いかもしれません。

一方で、日本では「富裕層」と呼ばれる人々の数が増え続けている事実をご存知でしょうか。本記事では、富裕層の定義やその実態、そして富裕層が増えている理由について、最新のデータを交えながら解説します。

さらに、富裕層の消費行動の特徴や、ご自身の資産形成を考える上でのヒントもご紹介します。これからの時代を生き抜くために、お金に関する知識を深めていきましょう。

1. 日本に「富裕層」はどれくらいいるの?

富裕層に関して、野村総合研究所が公表しているデータをもとに、その定義や区分について確認しておきましょう。

純金融資産保有額別の世帯数と資産規模

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」(2025年2月13日)

 

 

1.1 そもそも「富裕層」の定義はある?

「富裕層」とは具体的にどのような基準で分類されているのでしょうか。

野村総合研究所の発表によると、富裕層は「純金融資産が1億円以上の世帯」を指し、その中でさらに「純金融資産が5億円を超える世帯」は「超富裕層」として別に分類されています。

日本国内では、1億円以上の純金融資産を持つ世帯(超富裕層を含む)が165万3000世帯あるとされています。

  • 超富裕層(5億円以上):11万8000世帯/135兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯/334兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000世帯/333兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯/282兆円
  • マス層(3000万円未満):4424万7000世帯/711兆円