年末年始を経て、生活費や医療費など出費が気になりやすい季節。年金生活に入ったシニア世代にとっては、毎月の収支バランスをどう保つかが大きなテーマになります

一方で「老後は年金だけで生活できるだろうか」と不安を感じている方は少なくありません。実は、公的年金以外にも高齢者を支える給付金や支援金の制度が複数存在します。

しかし、これらは申請しなければ受け取れないものばかりです。年金生活者支援給付金で年額約6万円、住宅改修費用助成で最大18万円など、知っているかどうかで家計に大きな差が生まれます。

65歳以上の方やその家族が知っておくべき5つの給付金制度と、年金を基盤とした賢い老後の家計運営について解説します。

1. 申請しないともらえない高齢者向けの給付金・支援金5選

社会保険制度には、主に65歳以上を対象とした給付金や支援金の制度が設けられています。具体的に、どのような制度があるのかを見ていきましょう。

1.1 年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金は、受給できる年金額や所得が一定以下の方へ支給される給付金です。「老齢」「障害」「遺族」の3種類があり、要件に該当すれば多い方では年額6万円程度の金額を受け取れます。

年金生活者支援給付金の申請は、主に日本年金機構から送付される請求書を使って行います。対象者には毎年9月頃に通知とはがき型の請求書が郵送され、記入して投函するだけです。電子申請も可能で、マイナポータル経由で手続きできます。​

1.2 高年齢雇用継続基本給付金

高年齢雇用継続給付金は、雇用保険加入者である60歳以上65歳未満の方が対象となる給付金です。また、雇用保険への加入期間が5年以上あることも求められます。

60歳以上65歳未満の方の賃金が60歳到達時の75%未満のとき、最高で賃金額の15%に相当する金額が支給される仕組みです(支給率は受け取っている賃金によって変動します)。

たとえば、60歳以上65歳未満の賃金が20万円で支給率が10%の場合、支給額は「20万円×10%=2万円」です。なお、給付は被保険者に直接支給されますが、手続きは雇用主主導で行われます。

1.3 高年齢求職者給付金

高年齢求職者給付金は、65歳以上の方が失業したときに支給される給付金です。

離職の日以前1年間に雇用保険の被保険者期間が通算して6カ月以上あり、さらに就職の意思がある方が支給対象となります。離職日から1年以内に、ハローワークで求職申込とあわせて申請しなければなりません。

支給額は、被保険者であった期間に応じて基本手当に相当する額の30日分または50日分です。

1.4 厚生年金の加給年金

厚生年金の加給年金とは、65歳に到達した時点で、65歳未満の配偶者や18歳到達年度の末日までの間の子がいるとき、厚生年金に上乗せされます。

  • 配偶者:23万9300円
  • 1人目・2人目の子:各23万9300円
  • 3人目以降の子:各7万9800円

加給年金の申請は、原則として年金を初めて請求する際に、必要な書類を添えて日本年金機構の年金事務所または街角の年金相談センターへ提出します。受給開始後に新たに対象者が生じた場合は、「老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届」を別途提出しましょう。

1.5 高齢者住宅改修費用助成制度

高齢者住宅改修費用助成制度は、介護保険制度から支給される給付金です。手続きは市区町村の窓口で行い、工事前の事前申請が必須です。​

具体的には、要介護者が以下の住宅改修を行ったとき、工事費用の原則9割(最大18万円)が支給されます。

  • 手すりの取付け
  • 段差の解消
  • 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
  • 引き戸等への扉の取替え
  • 洋式便器等への便器の取替え

ケアマネージャーに相談し、業者を選定して見積もり取得後、市区町村窓口に事前申請を提出します。工事完了後に事後申請(領収書・写真添付)を行い、審査通過で後払いされる仕組みです。