4. 消費税10%の内訳は「国税7.8%+地方税2.2%」

現在の消費税の税率は10%ですが、これは国税と地方税あわせた税率です。内訳は以下のようになっています。

  • 国税:7.8%
  • 地方税:2.2%

前述の社会保障4経費に充てられるのは、国税部分の税収です。地方消費税は、2014年以降の税率引き上げ分のみ社会保障にまわり、基本的には都道府県や市町村の財源として、公共サービスのために使われています。たとえば、道路や水道といったインフラやごみ収集などの環境保護、教育の充実などです。

「消費税を下げると地方財政に影響が出る」といわれるのは、こういった背景があるためです。地方への影響を抑えながら景気をよい方向へ向かわせるには、国債の発行や消費活性化による税収増など、さまざまな財源確保手段の検討が必要になりそうです。

5. まとめ

消費税は1989年に導入され、現在では10%の税率となっています。税収は社会保障に使われていますが、疑義や課題も残っているのが現状です。

消費税を巡っては「減ったら家計にありがたい」「増やさないと社会保障制度が崩れる」とさまざまな意見が飛び交っています。参議院選挙の民意が反映されるのかも含めて、今後どのようなあり方となるのか注目していきましょう。

参考資料

石上 ユウキ