6. 年代別の「食費」平均額とは?
家計管理の中でも、日常的に意識しやすく、工夫次第で節約しやすい支出のひとつが「食費」かもしれません。
ここで総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)」をもとに、二人以上世帯のひと月の食費の平均を見てみましょう。
全体平均 7万5258円
- ~29歳 5万2413円
- 30~39歳 6万9433円
- 40~49歳 7万9900円
- 50~59歳 8万1051円
- 60~64歳 7万9831円
- 65~69歳 7万7405円
- 70~74歳 7万4322円
- 75~79歳 6万8274円
- 80~84歳 6万6257円
- 85歳~ 6万3347円
二人以上世帯のひと月の食費平均は、50歳代がピークで約8万円。その後60歳以降は徐々に下がり、85歳以上では6万3347円に落ち着きます。
食費は家族の年齢やライフステージにより大きく変動するものですが、所得が低めの世帯では「家計に占める食費の割合(エンゲル係数)」が大きくなりがちです。
物価上昇が続くいま、食料品の値動きを観察しながら、食生活や家計全体を上手に管理していけたら良いですね。
7. 現役世代からはじめる未来への備え
今の時代は定年を迎えても働き続けるシニアが増えていると言われています。定年後も働き続ける理由は「仕事にやりがいを感じている」や「社会とのつながりをもちたい」などといったものもありますが、「収入を得るため」という理由で働き続けるシニアの数は少なくありません。
実際、本記事で見てきたように今のシニアが受け取れるひと月の平均年金受給額は厚生年金(※国民年金を含む)で14万6429円、国民年金だと5万7584円です。国民年金と厚生年金の両方を受け取れる場合でも、15万円弱の年金ですが、実際はここから社会保険料や税金も引かれるため手取りはさらに少なくなります。
また、今は物価高の影響で生活コストも上がっています。節約しやすいとされる食費も昨今の物価高の影響でなかなか食費を落とすことが難しいという方も多いです。近年は猛暑等でエアコン代等の負担が増えたという話もよく耳にします。これらの物価高や猛暑などの問題が今だけの話ですむのであれば良いですが、今後も続くとなると少ない年金で生活をおくる高齢者にとっては非常にシビアな話です。
これは今のシニアだけの問題ではありません。私たち現役世代が年金を受け取る頃には今よりもっと厳しい年金生活になっていることも十分考えられます。そのため、私たち現役世代は将来の日本の経済状況などがどうなっていても生活に困らないだけの老後資金を今のうちからコツコツ貯めていくことが大事でしょう。
参考資料
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)第3-2表」
鶴田 綾