年に6回ある年金支給日ですが、次回は8月15日(金)です。そんな年金支給日を来月に控える中「年金だけで本当に暮らしていけるの?」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。今回は、厚生労働省・総務省の調査結果をもとに、65歳以上の無職夫婦世帯の家計実態を見ていきます。年金収入、支出の内訳、そして平均貯蓄額の推移から、老後の生活に必要な備えとは何かを読み解きます。数字で明らかになるリアルな家計バランスを知ることで、自分自身の老後の見通しや対策を考えるヒントにしてみてください。

1. 「年金はいくらもらえる?」65歳以上の平均受給額をチェック

厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65歳以上の年金月額は、国民年金のみで5万7584円、厚生年金を含めると14万6429円となっています。

1.1 国民年金・厚生年金「平均月額と個人差」

内訳を見ると、国民年金は男性5万9965円・女性5万5777円、厚生年金は男性16万6606円・女性10万7200円と、男女差が大きいことがわかります。これらはあくまで平均額であり、実際の年金額は加入期間や収入額によって大きく異なります。

老後の生活を考えるうえで、自分や配偶者の年金見込み額を世帯単位で把握することが重要です。そのためには、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を活用するとよいでしょう。また、年金制度のしくみや法改正の動向にも、現役時代から目を向けておくことが大切です。公的年金は老齢年金だけでなく、遺族年金や障害年金、付加年金、加給年金なども含まれており、多面的な制度です。特に繰上げ・繰下げ受給の選択などは、老後の生活設計に大きく影響するため、早いうちから制度を理解しておくことが安心につながります。

「年金だけではどの程度暮らせるのか」その答えを考えるうえで、実際に老後を迎えた世帯の方々の「家計全体の状況」を見てみましょう。