2. 「いまどきシニア夫婦の貯蓄は増加傾向」65歳以上無職世帯(二人以上世帯)資産状況

シニア世帯の家計はどのような状況にあるのでしょうか。

ここでは、世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上世帯)のデータをもとに、貯蓄額の推移と、その資産構成の内訳を見ていきます。

65歳以上の無職世帯(二人以上)の平均貯蓄額は2024年時点で2560万円となっており、2019年の2218万円から342万円増加しました。

貯蓄の内訳を見ると、もっとも増えたのは普通預金などの通貨性預貯金で+258万円(543万円→801万円)増加、次いで株式や投資信託などの有価証券が+144万円(357万円→501万円)増加した状況です。一方で、定期預金などの定期性預貯金は▲82万円(941万円→859万円)減少しています。全体としては、依然として預貯金が貯蓄の6割以上を占める構成ですが、内訳には変化が見られます。特に、資産を「定期」から「普通預金」や「投資」へとシフトする動きがあり、資金の流動性や運用を意識した動きと考えられます。

この傾向から、シニア世帯も安全性と利回りのバランスを重視しつつ、資産の置き方を見直している様子がうかがえます。では、その貯蓄で本当に生活を支えられているのでしょうか?ここからは、収入と支出のバランスを数字で見ていきます。