暑い日々が続いていますが、物価高に加え「エアコンの電気代が心配」という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

総務省「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2025年(令和7年)6月分(中旬速報値)」によると、消費者物価指数(総合指数)は前年の同月と比べ3.1%上昇しています。

物価高によりさまざまな世帯の家計に負担が生じやすくなっていますが、とくにシニア世帯は現役時代と比べ収入が少なくなる傾向があります。

そのため「年金生活が大変」と感じている方が多いことが考えられます。

老後にもらえる年金額は「現役時代の年金加入状況」で大きく変わりますが、今のシニア世代の方は平均でどれくらい受給できているのでしょうか。

この記事では、「厚生年金+国民年金」「国民年金のみ」の平均月額をご紹介します。

また、《全体・男性・女性》の平均年金月額についても解説しますので、老後資金の準備について考える際に、ぜひ参考にしてください。

1. 老後にもらえる年金額は「現役時代の年金加入状況」で大きく変わる

「年金制度は2階建て」などと言われます。これはベース部分となる「国民年金」と、上乗せ部分となる厚生年金から構成されるためです。

それぞれの年金制度の基本を整理しましょう。

老後にもらえる年金額は「現役時代の年金加入状況」で大きく変わる

老後にもらえる年金額は「現役時代の年金加入状況」で大きく変わる

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 「1階部分」国民年金(基礎年金)

  • 加入対象:原則として日本国内に住む20歳以上から60歳未満の全ての人
  • 年金保険料:全員一律(※1)
  • 老後の受給額:40年間納付すると65歳以降に満額(※2)を受給できる

※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円

1.2 「2階部分」厚生年金(被用者年金)

  • 加入対象:会社員や公務員、一定要件を満たすパート・アルバイトの人が国民年金に上乗せして加入
  • 年金保険料:報酬(賞与・給与)に応じて計算される(上限額あり※3
  • 老後の受給額:国民年金に上乗せして受給。厚生年金部分は年金加入期間や納付済保険料により個人差が出る。

※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。

1.3 老後に受け取る「年金タイプは2種類」

現役時代は働き方や立場に応じて「国民年金のみに加入する人」「国民年金と厚生年金の両方に加入する人」に分かれます。

これに応じて、老後に受け取る年金も変わります。