厚生年金受給額は、現役時代の年収や勤続年数などにより計算されるため、一人ひとり金額が異なります。

年収が高額なほど、また、勤続年数が長いほど受給額が多くなるのが一般的です。

では、国民年金と厚生年金の合計額が「月額10万円未満の人」と「月額20万円以上の人」とでは、どちらの方が多いのでしょうか。

また、国民年金+厚生年金を月額20万円受給するために必要な年収はどのくらいなのでしょうか。

具体例を用いて、シミュレーションしていきます。

1. 国民年金+厚生年金「月額10万円未満」と「月額20万円以上」どちらが多い?

結論から申し上げると、国民年金と厚生年金の合計額が「月額10万円未満の人」と「月額20万円以上の人」とでは、「月額10万円未満の人」の方が多いです。

厚生労働省年金局が公表している「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、「月額10万円未満の人」が21.2%、「月額20万円以上の人」は16.3%となっています。

厚生年金受給額ごとの受給権者割合を以下にまとめましたので、ご確認ください。

なお、厚生年金は国民年金を含めた金額が支給されるため、以降は「厚生年金」と記載します。

  • 月額1万円未満:0.28%
  • 月額1万円以上2万円未満:0.09%
  • 月額2万円以上3万円未満:0.31%
  • 月額3万円以上4万円未満:0.58%
  • 月額4万円以上5万円未満:0.61%
  • 月額5万円以上6万円未満:0.85%
  • 月額6万円以上7万円未満:2.34%
  • 月額7万円以上8万円未満:3.97%
  • 月額8万円以上9万円未満:5.44%
  • 月額9万円以上10万円未満:6.73%
  • 月額10万円以上11万円未満:7.01%
  • 月額11万円以上12万円未満:6.57%
  • 月額12万円以上13万円未満:5.97%
  • 月額13万円以上14万円未満:5.75%
  • 月額14万円以上15万円未満:5.89%
  • 月額15万円以上16万円未満:6.14%
  • 月額16万円以上17万円未満:6.39%
  • 月額17万円以上18万円未満:6.56%
  • 月額18万円以上19万円未満:6.37%
  • 月額19万円以上20万円未満:5.84%
  • 月額20万円以上21万円未満:4.99%
  • 月額21万円以上22万円未満:3.90%
  • 月額22万円以上23万円未満:2.72%
  • 月額23万円以上24万円未満:1.78%
  • 月額24万円以上25万円未満:1.18%
  • 月額25万円以上26万円未満:0.75%
  • 月額26万円以上27万円未満:0.45%
  • 月額27万円以上28万円未満:0.25%
  • 月額28万円以上29万円未満:0.13%
  • 月額29万円以上30万円未満:0.06%
  • 月額30万円以上:0.09%

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

「月額9万円以上から12万円未満」と、「月額15万円以上から19万円未満」の2ヵ所にボリュームゾーンが見られます。

前者は女性の平均厚生年金受給額である10万7200円を含むゾーンとなっており、後者は男性の平均受給額である16万6606円を含むゾーンとなっています。

男性・女性ともに平均受給額が10万円台となっていることもあり、月額20万円以上もらっている人はうらやましい人といえるでしょう。

2. 国民年金+厚生年金を「月額20万円」もらうのに必要な年収はいくら?

では、厚生年金を月額20万円受給するためには、現役時代の年収はいくらあれば良いのでしょうか。

以下の条件でシミュレーションしてきます。

【シミュレーション条件】

  • 厚生年金保険加入期間:22歳から65歳までの43年間(平成15年以降のみ)
  • 国民年金保険料払込期間:40年
  • 経過的加算と加給年金は考慮しない

厚生年金には国民年金も含まれているため、まず国民年金受給額を計算します。

シミュレーション条件より、保険料は40年間納付しているため満額受給が可能です。

令和7年度は月額6万9308円なので、満額では83万1696円となります。

厚生年金を月額20万円受給すると年額では240万円となり、国民年金分の約83万円を差し引くと、厚生年金として157万円受給しなくてはならないことになります。

厚生年金受給額は、以下の計算式で求めます。
厚生年金受給額=報酬比例部分+経過的加算+加給年金額

シミュレーション条件より、経過的加算と加給年金は考慮しないこととされているため、ここでは報酬比例部分が厚生年金受給額となります。

なお、報酬比例部分とは、老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金の給付において年金額計算の基礎となるものです。

報酬比例部分は以下の計算式で求めます。

<加入期間:平成15年4月以降の場合>
報酬比例部分=平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入期間月数

計算式に当てはめると、平均標準報酬月額は56万円となります。

計算)
157万円=平均標準報酬額×5.481/1000×516ヵ月
平均標準報酬額=約55万6000円→56万円(令和7年度保険料額表より)

年収にすると672万円が必要になります。

しかし、厚生年金保険に加入する43年間、毎年年収672万円をキープするのは簡単なことではありません。

やはり、国民年金+厚生年金を「月額20万円」受給できるのは、限られた人であることがわかります。

3. 厚生年金受給額を増やすには「年収を上げること」が欠かせない

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国民年金と厚生年金の合計額が「月額10万円未満」と「月額20万円以上」の人とでは、「月額10万円未満」の人の方が多いことがわかりました。

月額20万円受給できるのは受給権者全体の16.3%となっており、一部のうらやましい人といえるでしょう。

シミュレーション結果より、国民年金+厚生年金を月額20万円を受給するには、現役時代の平均年収が672万円あることが必要となりました。

勤続年数が浅いうちや、女性にはハードルが高い傾向にある金額です。

しかし、厚生年金受給額を増やすには年収を上げることが欠かせないため、スキルアップを図ったり好条件の求人に応募したりなどの方法を選ぶのも一案です。

参考資料