2. 制度改正で暮らしにどんな影響があるのか

それでは、この改正により、私たちの暮らしにはどのような影響があるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

2.1 制度改正により恩恵を受けられる人

この制度改正によって、特に恩恵を受けると考えられるのは以下のような方々です。

まず、受給年金額のうち、厚生年金の受給割合が少ない人たちです。

具体的には、会社員以外(個人事業主や専業主婦など)であった期間が長く、社会保険加入期間が少ない人が該当します。

年金収入の中で基礎年金の占める割合が大きい人たちは、基礎年金の底上げが収入増加に直結するため、生活の安定につながります。

また、現在の若者世代も大きな恩恵を受ける見込みです。

厚生労働省の試算によれば、38歳以下では、一部の高所得者を除き、99.9%の人において生涯に受け取る年金総額が増える見込みとされています。

これは、若い世代ほど将来の基礎年金の低下による影響を長期間受けることになるため、その対策の恩恵も大きくなると考えられます。