1.3 厚生年金保険料の流用ではないのか
「厚生年金のお金を、国民年金だけに加入している人ももらう基礎年金に使うのは『流用』ではないのか?」という疑問をお持ちの人もいるかと思います。
しかし、厚生年金保険料の使途として、もともと基礎年金を支える部分が含まれており、その点において従来と変わりはありません。厚生年金の加入者は、その保険料の中から基礎年金の財源も負担しているのです。
また、年金の積立金は「個人の貯金」ではなく、世代間で支え合うための「社会全体のお金」という考え方が基本です。
そのため、現役世代が納める保険料は、自分が将来受け取るためのお金ではなく、その時点の高齢者の年金給付に充てられることが原則となっているのです。
さらに、厚生年金加入者自身も基礎年金の受給者であるため、基礎年金の底上げは厚生年金保険加入者にも利益をもたらすのです。
これらの理由から、今回の措置は「流用」にはあたらないという見解が、厚生労働省からも発表されています。