文部科学省が検討している制度ですが、利用の主旨を簡単にまとめてしまうと、「定時を伸ばすことで、残業時間を減らす」というものです。「残業時間」だけに注目すると、時間は減っていますが、総労働時間がまったく変わらないのです。

これに対しては、

・この制度が通ったら、もうデモをするしかない
・残業時間が減ることで、過労死の認定が難しくなってしまう

と批判の声が数多く上がっています。

山積みの課題

とはいえ、こうした教員の労働環境の改善には、まだまだ時間がかかってしまいそうです。

・部活動の時間削減
・残業代給付
・教員の増員

など、改善すべき点は山積しており、いずれも根の深い問題といえるからです。

教員という職業は、未来を担う子どもたちのためにも、なくてはならないものです。もちろん、当事者である教員たちが自ら改善を図っていくことも重要ではあるのですが、上でも少し触れたように、さまざまな制度・慣習・予算などでの「壁」もあるようです。

また、冒頭で紹介した政府の調査でも、教員のストレス内容の第3位に「保護者・PTAへの対応(38.3%)」というものが入っていました。保護者としての立場でも、協力できることが多くあるはずです。

われわれ教員以外の人たちも現状に気づき、声を上げるべきなのかもしれません。

クロスメディア・パブリッシング