期待外れの7-9月期決算を受けて、アップルの株価は10月の過去最高値から20%超下落して171ドルとなり(12月13日)、2019年9月期の予想EPSである13.30ドルに対するPERは13倍へと低下し、バリュエーションが魅力的になっています。
今期に関してはiPhone(アイフォーン)の販売台数が5~10%減少したと想定しても、業績へのリスクが限定的なため、株価は下支えられる可能性があります。
アップルの採算性の高いサービス事業の収入は、2018年9月期に24%増加して370億ドルに達しており、2020年には500億ドルに達する勢いです。本年度の自社株買いの規模は約700億ドル、発行済み株数の8%と世界最大規模になっています。
バンク・オブ・アメリカ
バンク・オブ・アメリカは、米国最大の個人向け銀行業務のフランチャイズと、ウェルス・マネジメント事業を抱えながらも、最近の株価下落でバリュエーションが魅力的になっています。
同行の株価は25ドル(12月10日)で、2018年の予想EPS(2.58ドル)に対するPERはわずか10倍です。2019年のEPSは2.87ドルと予想されており、PERは9倍未満に低下します。2019年6月までの1年間で、時価総額の約10%を自社株買いと配当で株主に還元する可能性があり、配当利回りは2.5%です。
投資の神様、ウォーレン・バフェット氏は同行の信奉者で、バークシャー・ハザウェイは第3四半期にバンク・オブ・アメリカを50億ドル買い増して、実質的に10%の保有上限に達しています。
ブラックロック
ブラックロックは、上場投資信託(ETF)のプラットフォームで、運用資産が1兆8000億ドルを超えるiシェアーズを保有しているため、安定したキャッシュフローが期待できます。
ブラックロックの株価は387ドル(12月13日)で、2018年の予想EPS約28ドルに対するPERは14倍、配当利回りは3.2%です。KBWのアナリスト、ロバート・リー氏は同社に対して強気で、目標株価を485ドルとしています。
キャタピラー
キャタピラーは世界産業の代表銘柄とみなされており、ウォール街が景気の先行きを警戒する中で株価が打撃を受け、年初来で20%下落して126ドル(12月13日)となりましたが、利益は70%増加する見通しです。また、2019年予想EPS(12.87ドル)に対するPERは10倍で、配当利回りは2.7%です。
JPモルガンのアナリストであるアン・ドゥイグナン氏は、キャタピラーに持続的な上昇サイクルがあるとみており、目標株価を188ドルとしています。米中貿易摩擦に関して何らかの合意があれば、株価はほぼ間違いなく上昇するとみられています。
シェブロン
石油大手のシェブロンは、配当の安全性、バランスシート、生産の見通しにおいて、総合エネルギー企業の中で傑出しています。
オーストラリアの2カ所の液化天然ガス大型施設が完成して主要な設備投資プログラムが終了し、多額のフリーキャッシュフローを生み出しています。株価は年初来7%下落の116ドル(13日)で、予想EPSの9ドルに対するPERは13倍、配当利回りは3.9%です。
JPモルガンのアナリストであるフィル・グレシュ氏は、目標株価を144ドルとしています。