ダイムラーの時価総額570億ドルに対し、電気自動車メーカーのテスラは630億ドルです。売上高はダイムラーの方が10倍多く、テスラの赤字に対してダイムラーの本年度の利益は100億ドルとなる見通しです。
メルセデスの失望的な販売台数と欧州のディーゼル規制順守の費用を反映して第3四半期は軟調な決算となり、ダイムラーの株価は年初来で33%下落しています。
株価上昇の材料を欠いている観は否めませんが、超割安な株価自体が材料視される可能性は十分にありそうです。
デルタ航空
デルタ航空は米国の主要航空会社であるにもかかわらず、最近の株価下落で予想PERがわずか8倍になっています。2019年のEPSガイダンスが6~7ドル、株価は53.55ドル(13日)です。
デルタの利益率は、前後に余裕がある座席に対する特別料金や荷物の超過料金の徴収、効率的なメンテナンスによって、米国航空会社の中では最も高い水準です。2019年には25億ドルの株主還元を予定しており、2.6%の配当利回りは米国航空会社の中で最高です。
クレディ・スイスのアナリストであるホセ・カラド氏は、デルタ航空の目標株価を71ドルとしています。
エナジー・トランスファー
エネルギー・パイプラインの運営で国内大手のエナジー・トランスファーの株価は約14ドルで、配当利回りは8.4%と非常に魅力的です。同社は10月に、ゼネラル・パートナーとリミテッド・パートナーの株式を一体化し、複雑な株主構造を単純化しています。
会長で同社の最大株主であるケルシー・ウォーレン氏は株価が割安と考えており、11月に公開市場で300万株を取得しています。平均取得価格は15ドル超で、現在の株価を上回っています。
株価は利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)の約9倍で同業他社より割安になっており、モルガン・スタンレーのトム・エイブラムス氏によると、同業他社並みのバリュエーションであれば株価は約25ドルになります。
トール・ブラザース
ウォール街では住宅建設会社を崖から落ちたかのように評価しています。トールの株価は年初来で32%下落して約32ドルとなり、株価純資産倍率(PBR)は1倍程度になっています。
ただし同社は黒字を維持しており、このようなバリュエーションは理解に苦しみます。2019年10月期のEPSは前年度並の4.85ドルと予想されています。また、昨年度に自社株の8%を買い戻した後で、今期も自社株買いを続けると予想されています。配当利回りは1.4%です。
ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのアナリストであるスティーブン・イースト氏は、依然として強気のアナリストの1人で、目標株価を45ドルとしています。
参考:Top 10 Stock Picks for 2019(BARRON'S, 12/14/2018)
LIMO編集部