3. 厚生年金保険料の上限は段階的に引き上げられる予定
ここまで解説してきた内容は、あくまでも現行制度に基づいたものです。
少子高齢化などを受けて、2027年9月以降には標準報酬月額の上限が段階的に引き上げられることが決まっています。
- 2027年9月: 68万円
- 2028年9月:71万円
- 2029年9月:75万円
これにより、賃金などが月75万円以上の方の場合、保険料(本人負担分)は月9100円上昇します。
負担が増えることは大きなマイナスに感じられますが、厚生労働省では以下のメリットも提唱しています。
- 上限を引き上げることで、賃金などが月65万円を超える方に、その収入に応じた保険料を負担いただき、現役時代の収入に見合った年金を受け取れるようになる
例えば、先の例で出た「賃金などが月75万円以上の方」であれば、月の保険料が9100円増加する一方で月5100円増額した年金を一生涯受け取れるというのです(あくまでも概算であり、加入期間などによって異なります。)
また、上限に達しない人も含めた厚生年金全体で考えても、給付水準が上昇するとしています。
しかし、そもそも満足できる年金額がもらえるかは不透明です。
次章では、今のシニアが受給する年金の平均額を見ていきましょう。