参院選に向けて、物価高対策として「現金給付」を公約に掲げている党もいくつかあります。
コロナ禍以降、現金給付がたびたび行われてきました。
こうした臨時の給付金以外にも、国や自治体ではさまざまなサポート制度を設けているのはご存じですか?
本記事では、シニア世代を対象とした手当や給付金を5つピックアップしてご紹介します。
働くシニアも年金暮らしのシニアも、どのようなサポート制度があるのかチェックしてみてください。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
1. 雇用保険関連の「手当や給付金」は何がある?
65歳を過ぎても働き続けるシニアは年々増えています(※)。
一方で、シニアの就労を支える制度が進むなかでも、60歳を境に平均給与が男女ともに減少する傾向が見られるのが現実です。
国税庁が公表した「令和5年分 民間給与実態統計調査」では、年齢階級ごとの平均給与が以下のように示されています。
- 55歳~59歳:男性 712万円・女性 330万円
- 60歳~64歳:男性 573万円・女性 278万円
- 65歳~69歳:男性 456万円・女性 222万円
- 70歳以上:男性 368万円・女性197万円
さらに、現役時代のように希望に合った仕事を見つけたり、円滑に再就職したりするのが難しい場合も少なくありません。
そこでここでは、働き続けたいシニアを支援する雇用保険の手当・給付金の中から、代表的な3つをご紹介します。
※内閣府「令和7年版高齢社会白書」における、各年齢階級別でみた就業者の割合
65~69歳:男性 62.8%・女性 44.7%、70~74歳:男性 43.8%・女性 27.3%、75歳以上:男性 17.3%・女性 8.5%
1.1 雇用保険関連のお金1:再就職手当(65歳未満)
再就職手当は、早めの再就職を後押しすることを目的とした給付で、失業後から再就職や起業までの期間が短いほど、支給される金額が多くなる仕組みになっています。
再就職手当の支給要件
- 対象者:雇用保険受給資格者で基本手当の受給資格がある人
- 支給要件:対象者が雇用保険の被保険者となる、または事業主となって雇用保険の被保険者を雇用する場合で、基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給
再就職手当の給付率
- 手当の額:就職等をする前日までの失業認定を受けた後の基本手当の支給残日数により下記のとおり給付率が異なります。(1円未満の端数は切り捨て)
- 所定給付日数の3分の1以上の支給日数を残して就職した場合は「支給残日数の60%」
- 所定給付日数の3分の2以上の支給日数を残して就職した場合は「支給残日数の70%」
再就職手当の額
また、再就職手当を受け取ったうえで、再就職先に6カ月以上継続して雇用され、かつその間の賃金が離職前より少ない場合には、「就業促進定着手当」が支給されることがあります。