2025年の後半をむかえた7月。今月のように年金支給がない時期は「今のお金がいつまでもつか心配」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。元マネースクール講師である筆者も、そうした不安の声をたびたび耳にします。
今回は、内閣府「高齢社会白書」やJ-FLECの調査をもとに、70歳代の「収入」「支出」「資産」から家計のリアルをひもとき、これからの暮らしに備えるヒントを探ります。
1. 【70歳代】収入と支出の変化から見える暮らしのリアル
内閣府で2025年6月10日に公表した「令和7年版高齢社会白書」をみていきましょう。
1.1 【収入面】70歳代は「現役引退後の収入減少」が本格化
60歳代から70歳代にかけて収入分布に明らかな変化が見られます。たとえば男性では、月収25万円以上の割合が60歳代前半で約68%だったのに対し、70〜74歳で50.4%、75〜79歳では44.5%まで減少。女性も60歳代前半で51.1%だったところ、70〜74歳で38.6%、75〜79歳では31.5%と、収入の減少が進んでいる様子がうかがえます。
次は、支出における生活費について見ていきましょう。