2025年度の年金額は前年度から1.9%引き上げられています。
振り込まれる数字は増えていても、増額率は物価変動率を下回ることに加え、ハイペースで値上げが続いており「年金が増えた」と体感しづらい状況といえます。
そもそも、みんなは年金をどれくらい受けとっているのでしょうか。
「わたしは月額15万円だけど、これって平均より上か下かどっちなんだろう…」
本記事では、現役時代に厚生年金保険に加入して働いたことがある人の老後の年金額について、「平均額」を確認していきます。また、「月20万円以上」を受給する人の割合は16.3%らしいというデータを深掘りして、シニアの年金額における個人差がどれほどあるのかを見ていきます。
1. 日本の公的年金制度の基本構造をおさえておこう!
日本の公的年金制度は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。
1.1 国民年金(1階部分)
- 加入対象:日本に住む20歳以上から60歳未満の全ての人が原則加入
- 保険料:全員定額(※1)
- 受給額:40年間欠かさず納めれば満額(※2)
- 被保険者:第1号~第3号(※3)
1.2 厚生年金(2階部分)
- 加入対象:会社員や公務員、またパート・アルバイトで特定適用事業所(※4)に働き一定要件を満たした人が、国民年金に上乗せで加入
- 保険料:収入に応じて決定(※5)、給与からの天引きで納付
- 受給額:加入期間・納付済保険料により個人差あり
- 被保険者:第1号~第4号(※6)
年金の支給日は「2月・4月・6月・8月・10月・12月」の15日です。なお、15日が土日・祝日にあたる場合、支給日は直前の平日へと前倒しされます。
なお、各支給日には「前月までの2カ月分の年金」が合算で支払われます。
例えば、6月であれば「4月・5月分」、2月であれば「12月・1月分」の年金が振り込まれる仕組みです。
※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円
※3 第1号被保険者は農業者・自営業者・学生・無職の人など、第2号被保険者は厚生年金の加入者、第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者※4 1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※5 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※6 第1号は、第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人、第2号は国家公務員共済組合の組合員、第3号は地方公務員共済組合の組合員、第4号は私立学校教職員共済制度の加入者