マクロン氏は経産相であった当時、百貨店などの日曜営業を可能とする規制緩和に着手しました。しかし、労働組合が支持する社会党内の強い反対により、規制緩和は断念せざるを得ませんでした。

大統領選を目指し中道政党「En Marche!(前進)」という組織を発足。経産大臣も辞職します。

選挙では決め手となる候補者がいない中で、ルペン候補の大統領就任だけは阻止するという妙な連帯感の中で行われました。そして無所属で若く、そして有権者受けのよいマクロン氏が泡沫候補から一転、各政党に担がれる形で大統領選に勝利。

こうしてゴーン氏とマクロン氏の、対決の「第二幕」が開く事になります。

ゴーン氏とフランス政府の微妙な関係【第2ラウンド】

2018年6月、ゴーン氏はルノーの会長兼CEOに再任されました。任期は4年です。またゴーン氏の17年の報酬738万ユーロ(約9億5000万円)の案も承認されました。

この時、フランス政府はゴーン氏の報酬案に反対し、結果は僅差での承認となりました。ゴーン氏の報酬案は承認されたものの、フランス政府からすれば、引き続きゴーン氏へはプレッシャーを与えるポジションにあるぞということを見せつけた格好にあると言えます。

また、フランス政府は以前から、日産とルノーの連携強化を求めていました。ゴーン氏は採決に先立ち、日産と三菱自動車の3社連合の関係強化を目指すことを明言しており、ルノーの筆頭株主であるフランス政府の条件を一部飲んだようにも見えます。

こうした前提に立てば、「第二幕」はマクロン氏の勝利とも言えるのではないでしょうか。

ゴーン氏もルノーと日産の合併はやりたくなかったのでは

ルノー・日産・三菱の3社連合と言われますが、日産再建のカリスマ経営者ゴーン氏あってこそ機能する組み合わせです。