2. 【療育手帳】障害の程度「重度は約42万人」推移を確認

令和5年度の療育手帳所持者数に関する最新結果(128万1469人)も出ていますが、今回は厚生労働省が公表した「令和4年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」に注目し、療育手帳所持者の推移を見ていきましょう。この調査は2016年以来6年ぶりの実施であるため、2022年と2016年の比較で所持者数の傾向を解説します。

2022年の厚生労働省の調査によると、療育手帳の所持者総数は約114万人で、これは2016年の前回調査と比較して約18%増加しています。この増加は、知的障害の早期診断や支援制度の周知が進み、より多くの人が必要な手帳を取得できるようになったことを示唆しています。

障がいの程度別に見ると、全体の約半数(51.4%、約58万7000人)が軽度・中度の知的障害を含む「その他」の区分に該当します。一方、「重度」の知的障害を持つ方は約42万人で、全体の36.8%を占めています。

この分布は、知的障害の多様な程度を反映しているとともに、福祉や教育の現場で個別の支援ニーズが広がっている現状を示唆しています。療育手帳の所持者数が継続して増加していることは、知的障害のある方への社会全体の理解が深まり、必要な支援がより届きやすい環境が整備されてきていることの表れと言えるでしょう。