3. 「後期高齢者医療制度の加入者」が受けられる給付とは?

後期高齢者医療制度の保険料は、年金から天引きされるケースも多く、その負担を重く感じているシニアも少なくありません。

では、この制度では具体的にどのような給付が受けられるのでしょうか。

ここでは、東京都後期高齢者医療広域連合の例を参考に、その給付の種類を確認していきます。

3.1 受けられる給付①療養の給付

まず基本となるのは、病気やけがで医療機関を受診した際に、保険証などを提示することで受けられる「療養の給付」です。

この制度によって、窓口で支払う医療費の自己負担は1割~3割に抑えられます。

3.2 受けられる給付②療養費

保険証などを提示せずに受診した場合は、医療費を一時的に全額自己負担する必要があります。

その際、市区町村の窓口で申請を行うと、広域連合で認められた分について、自己負担額を除いた金額が「療養費」として払い戻されます。

この仕組みが「療養費」と呼ばれるものです。

3.3 受けられる給付③入院時食事療養費

被保険者が入院すると、医療費とは別に食事代の負担が生じます。

このうち、定められた標準負担額を除いた分については広域連合が負担し、支給されるものを「入院時食事療養費」といいます。

3.4 受けられる給付④入院時生活療養費

被保険者が療養病床へ入院した場合、食費や居住費のうち標準負担額を除いた分を広域連合が負担します。

この給付を「入院時生活療養費」といいます。

なお、療養病床とは、長期にわたり療養や介護を必要とする人のために設けられた病床を指します。

3.5 受けられる給付⑤移送費

けがや病気などで移動が難しく、医師の指示に基づき一時的・緊急的な必要性から移送された場合には、「移送費」が支給されることがあります。

ただし、広域連合が緊急性ややむを得ない事情を認めた場合に限られます。

なお、救急車の利用は無料であるため、この対象には含まれません。

3.6 受けられる給付⑥高額療養費

1カ月(1日から末日まで)の自己負担額が定められた限度額を超えた場合、その超過分は「高額療養費」として支給されます。