老後生活を、年金だけに頼っても大丈夫なのでしょうか。
それとも、年金以外に貯蓄や資産形成をしておいたほうがよいのでしょうか。
本記事では、実際の年金収入や支出金額のデータをもとに、年金だけで老後生活は可能なのかシミュレーションした結果をご紹介します。
シニア世帯の貯蓄額もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 老後はどれくらいの年金を受給できる?
ではさっそく、老後にどのくらい年金がもらえるのか確認しましょう。
厚生労働省によると、2025年度の年金支給額の例は以下のとおりです。
1.1 2025年度のモデル年金額(額面)
- 国民年金の満額受給額:月額6万9308円(前年度比+1308円)
- モデル夫婦*1の年金受給額(国民年金+厚生年金):月額23万2784円(前年度比+4412円)
*1…平均年収約546万円で40年間勤務した夫(妻)と会社員経験のない専業主婦(夫)の世帯
平均年収約546万円で40年間勤務した夫(妻)と会社員経験のない専業主婦(夫)のモデル夫婦がもらえる年金額は、月額23万2784円です。
ただし、会社員や公務員の場合は現役時代の平均年収と勤務期間によって年金受給額が異なります。
以下の条件で平均年収別に年金受給額の目安をシミュレーションしてみましょう。
- 1973年生まれ
- 23歳から65歳到達まで会社員として勤務
- 65歳から年金受取を開始
シミュレーションの結果は以下のとおりです。
1.2 平均年収ごとの目安年金受給額(額面)
平均年収 年金受給額の目安(額面)
- 200万円 月10万7000円
- 300万円 月12万7000円
- 400万円 月14万2000円
- 500万円 月16万2000円
- 600万円 月18万1000円
- 700万円 月19万7000円
- 800万円 月21万3000円
- 900万円 月23万4000円
平均年収300万円の人が受け取れる年金は月12万7000円ですが、平均年収900万円の人は月23万4000円もの年金をもらえます。
高年収の会社員や公務員は、現役時代だけでなく老後も経済的にゆとりのある生活を送ることが期待できます。
2. 老後の生活費はいくら?
次に老後の支出を確認しましょう。
総務省統計局「家計調査報告書(家計収支編)」によると、65歳以上夫婦のみの無職世帯の平均支出は以下のとおりです。
2.1 65歳以上の夫婦のみ無職世帯の支出(月額)
- 食料 7万6352円
- 住居 1万6432円
- 光熱・水道 2万1919円
- 家具・家事用品 1万2265円
- 被服及び履物 5590円
- 保険医療 1万8383円
- 交通・通信 2万7768円
- 教育 0円
- 教養娯楽 2万5377円
- その他の消費支出 5万2533円
・諸雑費 2万2125円
・交際費 2万3888円
・仕送り金 1040円 - 直接税 1万1162円
- 社会保険料 1万9171円
- 合計 28万6877円
税金と社会保険料を合わせた平均支出は、月28万6877円となっています。
内訳としては食費がもっとも高く、次に交通・通信費、教養娯楽費と続きます。
先ほどご紹介したモデル夫婦の年金受給額は月23万2784円のため、毎月5万円以上の赤字です。
もちろん世帯によって年金受給額と支出は異なりますが、一般的に年金だけで生活するのは難しいことがわかります。
3. シニア世帯はどれくらい貯蓄がある?
年金だけでの生活は難しい場合が多いですが、実際に現在のシニア世帯はどれくらい貯蓄があるのでしょうか。
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」によると、貯蓄額の分布は以下のとおりです。
なお、貯蓄には預貯金のほかにも株式や投資信託、積立型保険、個人年金保険などを含みます。
3.1 70歳代二人以上世帯の貯蓄額
- 非保有 :20.8%
- 100万円未満 :5.4%
- 100~200万円未満 :4.9%
- 200~300万円未満 :3.4%
- 300~400万円未満 :3.7%
- 400~500万円未満 :2.3%
- 500~700万円未満 :4.9%
- 700~1000万円未満 :6.4%
- 1000~1500万円未満 :10.2%
- 1500~2000万円未満 :6.6%
- 2000~3000万円未満 :8.9%
- 3000万円以上 :19.0%
- 無回答 :3.5%
- 平均値 :1923万円
- 中央値 :800万円
世帯による貯蓄額の差は大きいですが、平均値は1923万円、中央値は800万円です。
貯蓄目標金額を決める際の、一つの参考にしてみてもよいかもしれません。
4. 年金だけの老後生活は厳しい傾向に!
本記事でご紹介したとおり、年金だけでは平均的な生活を送るのは難しい場合が多いです。
ただし、高年収の会社員の方などは年金受給額が高額な傾向にあるため、年金だけでの生活ができる世帯もあるでしょう。
老後生活に向けて計画を立てる際に、ご自身の世帯の年金収入と想定支出をシミュレーションして、年金以外に貯蓄が必要なのかを確認してみてはいかがでしょうか。



