3. 「5年間の有期給付への移行」の影響のある人・ない人
遺族厚生年金の給付は原則終身(30歳未満で子どものいない妻を除く)ですが、改正により5年間の有期給付となります。給付期間の改正による影響について解説します。
3.1 影響のある人
5年間の有期給付への移行の影響のある人は次の通りです。
- 2029年3月末時点で40歳未満で遺族基礎年金が受給できない女性
- 2028年4月以降に配偶者などを亡くした、60歳未満で遺族基礎年金が受給できない男性
上記の女性については、従来終身であった年金(30歳未満で子どものいない妻を除く)が5年に短縮されます。今回の遺族年金の見直しで最も大きなマイナスの影響を受ける人と言えるでしょう。
ただし、給付期間短縮の代わりに有期給付加算(年金額増額)や死亡時分割制度が適用されます。
また、これまで遺族厚生年金を受給できなかった男性が受給可能となるため、男性にとってはメリットのある改定です。
3.2 影響のない人
影響のない人は次の通りです。
- 2028年4月時点で遺族厚生年金を受給している人
- 60歳以降に遺族厚生年金の受給権が発生した人
- 遺族基礎年金を受給できる人(要件を満たした子どもがいる人)
- 2029年3月末時点で40歳以上の女性
上記に該当する人は、現行制度通り終身で年金を受給できます。