2. 「男性の年齢要件の撤廃」の影響がある人・ない人

遺族厚生年金の見直しの概要

遺族厚生年金の見直しの概要

出所:厚生労働省「遺族厚生年金の見直しについて」

現在、配偶者などが死亡したとき55歳未満の男性は遺族年金の受給対象者となりません。

また、55歳以上の人も受給できるのは60歳以降です。男性の年齢要件の撤廃とは、受給対象者となる年齢要件や受給開始年齢の制限をなくすことをいいます。改正は2028年4月施行予定です。

2.1 影響のある人

男性の年齢要件の撤廃の影響のある人は次の通りです。高校生以下の子どもがいるなどして遺族基礎年金の受給権のある人は除きます。

  • 2028年4月以降に配偶者などを亡くした55歳未満の男性
  • 2028年4月以降に配偶者などを亡くした55歳以上60歳未満の男性

55歳未満の男性は、遺族年金の受給対象者となります。55歳以上60歳未満の男性は、60歳まで待たなくても遺族厚生年金が受給できるようになります。どちらのケースもメリットのある影響です。

2.2 影響のない人

反対に、影響のない人は次の通りです。

  • 2028年4月時点で遺族厚生年金を受給している男性
  • 2028年3月までに遺族年金の受給対象者となり60歳以降に受給開始する男性

遺族厚生年金は原則5年の有期年金となりますが、上記については現行制度通り終身年金です。

ここまで、遺族年金の主な見直し点と「男性の年齢要件の撤廃」の影響のある人・ない人について解説しました。

次章では、その他の改訂点の影響を受ける人と受けない人について解説します。