すっかりおなじみとなった節税対策の「ふるさと納税」。そのユニークな点は、人気の返礼品がその時々のトレンドを映し出しているところにもあります。では、2025年上半期にはどのような商品が人気を集めたのでしょうか。

2025年6月25日、ふるさと納税サイト「さとふる」を運営する株式会社さとふるは、2025年上半期のふるさと納税人気お礼品ランキングを発表。合わせて、10月に控えている制度改正による影響や同社の対応などについて、説明しました。

1. 【2025年上半期/ふるさと納税のトレンド】市場規模は1兆円超え

08年に制度がスタートしたふるさと納税の受入額は右肩上がりで伸びており、同社は24年度の受入額は1.2兆円前後になると推測しています。直近ではAmazon.co.jpやローソンなどの大手企業が仲介事業者として参入したことが、新規利用者の流入につながっているようです。

同社は25年度はさらに市場が拡大し、市場規模は1.5兆円前後まで膨らむと見立てています。さとふるの青木大介副社長・COOは「10月の制度改正により、ふるさと納税に関する情報に触れる機会が増え、関心も高まると考えている。9月には制度改正直前の駆け込みも予想される」と理由を説明しました。

株式会社さとふるの青木大介副社長・COO1/6

株式会社さとふるの青木大介副社長・COO

筆者撮影

さとふるは14年から仲介事業を開始した老舗で、取扱自治体は1467自治体(25年5月末時点)、返礼品数は100万件以上(25年6月24日時点)に上ります。調査機関インテージの調べでは、24年のふるさと納税サイト認知度でNo.1を獲得しています。

仲介サイトとしてだけでなく中間事業者としても存在感を発揮しており、他社サイトのお礼品登録などをさとふるに一元化する「おまとめらくらくサービス」を展開するなど、自治体の負担軽減にも貢献しています。

さとふるでは自治体を支援する取り組みも積極的に行っている2/6

さとふるでは自治体を支援する取り組みも積極的に行っている

出所:株式会社さとふる

2. 【2025年上半期/ふるさと納税のトレンド】注目は「日用品」と「米の代替品」

ここからは「2025年上半期の人気お礼品ランキング」の結果について紹介します。1位に輝いたのは、北海道紋別市の「北海道オホーツク海産ホタテ」。同返礼品は6年連続で1位という圧倒的人気を誇っています。

2位には栃木県小山市の「ボックスティッシュ」がランクイン。実は日用品が総合ランキングのTOP3に入るのは今回が初。物価高騰を受けて、日用品の人気が高まっており、昨今のトレンドを反映する結果となりました。

そのほか、注目は9位の福岡県筑紫野市の「あまおう」。フルーツでは「シャインマスカット」の人気が高く、意外にも「いちご」がランクインするのは珍しいとのことです。

2025年上半期の人気お礼品ランキング3/6

2025年上半期の人気お礼品ランキング

出所:株式会社さとふる

検索キーワードランキングでは、ニュースを大いに騒がせている「米」関連がTOP10に5件ランクインしました。また、米不足によって代替品が人気を集めており、寄付件数は「冷凍パン」が前年比で約5倍、「もち麦」が前年比で約3倍、「パスタ」が前年比で約1.3倍に増加しています。

2025年上半期の検索キーワードランランキング4/6

2025年上半期の検索キーワードランランキング

出所:株式会社さとふる

ネクストトレンドとして注目なのが「節水」。今後、水道料金の値上げが懸念されていることを受け、「節水」とタイトルに付いている返礼品の寄付件数は前年比で約16倍にまで上昇しています。

3. 【2025年上半期/ふるさと納税のトレンド】10月の法改正の内容は?

25年10月に施行されるふるさと納税の法改正は「仲介サイト経由のポイント付与を全面禁止する」という内容です。現在のふるさと納税は返礼品やポイント還元によるお得さに注目が集まりがちで、総務省は以前から制度本来の目的から趣旨がズレてきていることを危惧していました。

ただ、利用者目線では、お得なポイント還元がなくなることはネガティブな影響といえます。23年10月に返礼品の規定が厳格になった際には、9月に駆け込み需要が発生し、さとふるでは前年同月比で4.5倍以上の寄付金額が集まりました。今回も同様の動きが発生するのは確実でしょう。

4. 【2025年上半期/ふるさと納税のトレンド】制度改正はさとふるには追い風?

さとふるが「ポイント規制に伴う利用意向」を調査したところ、「制度改正によってふるさと納税に対する意欲は変化したか」という質問に、約7割が「変わらない」と回答。また、「重視する点」については、「魅力的な返礼品の有無」がもっとも多くなりました。

「ポイント規制に伴う利用意向」の調査結果5/6

「ポイント規制に伴う利用意向」の調査結果

出所:株式会社さとふる

さとふるでも、制度改正以降はこれまで以上に返礼品の魅力が重要になると考えており、24年11月から自治体と連携した「お礼品開発プロジェクト」をスタート。これまで約100自治体で約230品のアイテムを開発・改善し、寄付件数の増加につなげています。

例えば、千葉県銚子市と開発した「【訳あり】こだわり利尻昆布仕込み 塩さばフィレ 約3.2kg 銚子東洋【さとふる限定】」は、画像や返礼品タイトルを見直すことで、「さば」カテゴリーでTOP3にランクインするまでに成長。さとふる限定の返礼品として人気を集めています。

さとふるの「お礼品開発プロジェクト」で寄付件数が急増した
「【訳あり】こだわり利尻昆布仕込み 塩さばフィレ 約3.2kg 銚子東洋【さとふる限定】」6/6

さとふるの「お礼品開発プロジェクト」で寄付件数が急増した
「【訳あり】こだわり利尻昆布仕込み 塩さばフィレ 約3.2kg 銚子東洋【さとふる限定】」

出所:株式会社さとふる

青木副社長は「ポイント規制後に利用者が重視している点はさとふるが得意としている分野。長く使っていただく利用者が増えることで、堅調に成長していけると考えている」と、制度改正が同サービスによっては追い風になる可能性にも言及しました。

参考資料

大蔵 大輔