5. 【老後の暮らし】貯蓄を取り崩す?働く?
実際のところ、近年65歳以上でも働き続ける人は増加傾向です。2023年時点では、65歳以上全体で25.2%が就業しています。さらに、65-59歳に絞ると、過半数にあたる52.0%が就業を継続しています。
現実には十分な資産形成が進まず、労働収入を得て生活している老後世帯が多いのです。
さて、仮に赤字を貯蓄の取り崩しで乗り切って、65歳で引退するためにはいくら必要なのか考えてみましょう。単純に毎月3万4058円の赤字が65歳から90歳の25年間続くとすると、合計1021万7400円必要です。
さらに、年を取ると、介護が必要になる高齢者が多く見られます。公益財団法人 生命保険文化センターによると、介護にかかる費用は一時的な費用が平均約47万円、月々の介護費用が平均9万円で、平均の介護期間は55カ月という試算結果が出ています。
これらを基にすると、介護に必要な費用は、平均で542万2000円です。さきほどの生活費の補てんと合計すると、必要な貯蓄額は平均で1563万9400円です。